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2016/11/14

14-1年で廃業50業者…移転延期で揺れる築地市場

14-1年で廃業50業者…移転延期で揺れる築地市場        (2016-11.14.)

<マグロ仲卸業者も困惑「日本食の地位を失墜させかねない」>

豊洲市場(江東区)への移転延期で揺れる築地市場(中央区)。施設の老朽化が進むが、豊洲は風評被害も懸念される。「『最高の魚を届ける』という仕事を懸命にこなすしかない」。

 10月中旬の夜明け前、仲卸「樋長」の社長、飯田統一郎さん(47)が、市場の競り場に入った。体育館ほどの広さの室内に並ぶのは約180本のマグロ。黒光りする魚体の腹の切れ目から、脂が乗ったピンク色の身がのぞく。

 「あれを落とす」。飯田さんが狙いを定めた。午前5時半、競り人の威勢のいい声が響くと、即座に指で金額を示す。約300キロの青森・大間産はこの日最高値の数百万円で落札、約210キロのカナダ産も手に入れた。 樋長は文久元(1861)年創業。「その日一番のマグロを狙う」という意地が信頼を集め、高級すし店や料亭、外資系ホテルなど約350の顧客を持つ。

 マグロは水産仲卸売り場へ。巨大な扇形で、面積は約1万2千平方メートル。約570業者の店が所狭しと並び、朝方は新鮮な魚介のにおいで満ちる。碁盤の目のように広がる幅2~3メートルの通路には、食材の箱がせり出し、小型運搬車同士がすれすれで行き交う。手狭な環境が移転理由の一つだ。都によると、建物の大部分は昭和10年の開場当時のまま。

全体を囲う壁がない構造で空調管理ができず、屋根下の梁も露出している。衛生面の心配もあるという。「今の築地は決していい環境ではない」と飯田さん。一方で今年9月、移転先となる豊洲で建物下に土壌汚染対策の盛り土がないことが発覚した。既に冷蔵庫を搬入しているが「日本食の地位を失墜させかねない事態。安全が確認されても、風評被害が拭えないのでは」と戸惑う。

築地の水産仲卸業者でつくる東京魚市場卸協同組合によると、豊洲への移転費用が経営を圧迫するなどとして、この1年余りで約50業者が廃業に追い込まれている。飯田さんが落札したマグロを日本刀のような包丁で細かく切り分けると、鮮やかな赤身が電灯で照らされ、次々に常連客が買い付けに訪れた。

樋長では身の表面温度を測る機器を導入し、品質管理を徹底。神戸市のすし店店主、小林利行さん(36)は「豊洲に移転しても仕入れを続ける」と信頼を寄せる。「移転問題は先が見えないが、置かれた場所で腹をくくってマグロと向き合う」。飯田さんの言葉に、いっそう力がこもった。
(えびなたろう)

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