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2016/09/07

07-日本経済に「中国は不要」

07-日本経済に「中国は不要」        (2016-09.07.)

現在の世界は、貿易の増加率がGDP(国内総生産)成長率を下回る「スロー・トレード」という問題を抱えている。各国の経済が成長したとしても、輸出入が増えないのだ。
スロー・トレードのきっかけは、もちろん中国経済の失速である。過剰投資と過剰債務に悩む中国は、国内の実体経済が縮小し、海外からの輸入を減らし始めた。

中国の輸入はリーマン・ショックの影響があった2009年を除き、14年まで一貫して増加を続けた。ところが、15年の中国の輸入は、対前年比で15%も減ってしまった。
 16年に入って以降も中国の輸入減少は続いており、直近のデータである16年7月は、対前年同月比で12・5%の減少。15年はすでに対前年比で輸入が落ち込んでいたが、さらに減少しているという話だ。そのことは、中国経済への依存度が高かった国々の経済を痛めつけている。

 例えば、ブラジルにとって、中国は最大の輸出相手国だった。中国の輸入は7割強が「資源」である。ブラジルは中国に資源を売り込み、経済成長を続けていた。中国経済が失速し、過剰設備問題が顕在化し、輸入に急ブレーキがかかった15年、ブラジル経済はマイナスに沈んだ。
 ブラジルの15年の経済成長率は、マイナス3・85%。リオデジャネイロ五輪を翌年に控えた国が、4%近いマイナス成長になるなど、前代未聞だ。しかも、ブラジルは16年も3%を超すマイナス成長になると予想されている(国際通貨基金=IMF=推計)。

 中国経済の問題が、過剰投資や過剰設備である以上、解決には相当長く時間がかかる。何しろ、過剰設備を解消するためにはリストラを推進する必要がある。リストラを進めると、失業者が増え、国内の消費が伸び悩み、設備の過剰が終わらないという悪循環に陥ってしまう。中国の過剰設備問題が解決しない限り、スロー・トレード時代は継続すると理解すべきだ。そんななか、わが国は、どうすべきなのか。
 日本国は、国内の需要を中心に経済成長が可能な経済規模と潜在力(供給能力)を保有している。もともと、日本国は米国と並ぶ内需大国なのだ。

 中国ビジネスから断固、撤退すべき-などと主張するつもりはない。とはいえ、現実問題として中国の需要が急回復する局面はしばらく訪れない。少なくとも、日本政府は中国などの外需ではなく、「内需」を拡大させる政策を推し進めるべきだ。

日本経済にとって、中国は不要である。と、日本の政治家、国民、経営者が断言できるようになって初めて、わが国の経済の「完全復活の日」が訪れるのだ。・・・おわり(三橋貴明;1969年、熊本県生まれ。経済評論家、中小企業診断士)
(えびなたろう)

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