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2016/09/01

01-日本がアフリカを支援する意義

01-日本がアフリカを支援する意義        (2016-09.01.)

 日本政府が主導するアフリカ開発会議(TICAD)が8月27、28日、初めてアフリカで開かれた。会議にはどのような意義があるのだろうか。
 1990年代のアフリカは成長が今ひとつだったが、2000年代に入り成長が加速している。サブサハラ・アフリカ(サハラ砂漠以南の地域)と全世界の経済成長の差をみると、1990年代にはサブサハラ・アフリカが全世界を0・5%下回っていたが、2000年代以降は1・5%上回るようになった。アフリカ経済はかつての農産物輸出中心から資源輸出に変わってきた。1960年代、サブサハラ・アフリカの総輸出の70%程度は農産品だったが、現在は60%を鉱物性燃料が占め、農産品は10%を下回っている。

 こうしたアフリカ経済の将来を占うときに、気にかかるのが「資源の呪い」である。これは、天然資源があるということが経済成長にとって、祝福というより呪いだとする考え方で、1980年代から注目され始め、多くの研究がなされている。経済成長が進まない理由として、(1)資源に依存して他の産業が育たないこと(2)資源開発を巡る内戦や政治腐敗が起こること・・・・・などがある。
 例えば「紛争ダイヤモンド」という言い方もなされる。ダイヤモンドなどは国際市場で高価で取引されるため、しばしば代金が武器購入に充てられる。資源を目当てに紛争も起こりやすくなるが、それを支配する者は紛争を継続しやすい。資源が紛争の要因になっているのだ。今では「資源の呪い」を克服する手も考えられている。例えば、他産業が育たない弊害を防ぐために、資源収入を別基金にするというソブリン・ウェルス・ファンドがある。

 余談だが、日本ではソブリン・ウェルス・ファンドの背景として「資源の呪い」を克服することが一切言及されずに、国家が財テクすることのみが取り上げられているのは滑稽だ。
 もっとも、資源紛争については対応が難しい。今話題になっている南スーダンも、元はといえば石油などの資源が豊富にあることが原因になって紛争が行われている。
 対応としては国連管理下での和平構築が基本となる。日本では、自衛隊が安全か否かの観点からのみ議論されているが、国連関与の中での日本の貢献や将来のアフリカ経済への寄与という観点が欠けている。自衛隊の安全という観点はもちろん重要だが、アフリカの発展と国際社会の中での日本の国益確保も重要である。

 日本がアフリカ支援を続ける意義は、アフリカの経済発展を促し、その中で、日本のアフリカ資源に対する国益を確保し、同時にアフリカ平和に貢献することである。アフリカ経済の原動力になっている資源と紛争の関係が根深いのは、中東の歴史を見れば明らかだ。アフリカ支援は、中東の二の舞いを避ける意味で、平和国家の日本にふさわしく、チャレンジングな課題だ。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)
(えびなたろう)

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