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2016/08/16

16-深刻さ増す中国経済

16-深刻さ増す中国経済         (2016-08.16.)

<習政権の政治路線が民間投資を激減させている>
 先月下旬あたりから、「民間投資の急落」が中国国内で大きな話題となっている。一部経済紙は「民間投資、断崖絶壁からの急落」という切迫した表現を使っており、事態の深刻さが伝わってくる。
 7月18日の国家統計局発表によると、今年上半期において、全国の民間企業が行った固定資産投資の伸び率は前年同期比で2・8%であった。2015年のそれは10・1%だったから、単純に比較すると、伸び率は昨年の3分の1以下に落ちたことになる。

 12年まで民間企業による固定資産投資の伸び率は毎年平均25%前後であった。今や民間企業が競って投資を行い、生産拡大をはかるような「黄金時代」は往時の伝説でしかない。
 今年上半期の「2・8%」の伸び率は16年ぶりの低水準であり、上半期最後の6月の伸び率はマイナス成長の0・01%減に転じた。これを見ても民間企業の投資意欲が急速に冷え込んでいることはよく分かる。

 今の中国で民間投資は全固定資産投資の62%程度を占めており、民間企業が国内総生産(GDP)の6割以上を作り出している。民間企業の投資が激減したことと、民間企業が拡大再生産への意欲を失っていることは、中国経済にとっての致命的な打撃となろう。
 問題は、民間企業がどうして投資しなくなったのかである。これに対し、著名な経済評論家の余豊慧氏は「ゾンビ(死に体)企業」の存在を理由の一つに挙げている。

 余氏によれば、今、大型国有企業の多くが「ゾンビ化」している中で、政府は雇用維持の視点からどうしてもゾンビ企業の延命をはかりたい。そのために国有銀行に命じてゾンビ企業に莫大(ばくだい)な融資を行い、無駄な「輸血」を続けていると言う事である。

 招商銀行専属の経済学者、劉東亮氏と中華工商時報副編集長の劉杉氏はそれぞれ、「民間企業の未来への信心の欠如」「企業家の信心喪失」を民間投資激減の理由に挙げている。
 民間企業がなぜ「信心喪失」となったのかに関し、劉東亮氏が言及したのは「未来における政策の不確実性」であり、劉杉氏が挙げたのは「イデオロギーの変化への懸念」である。

 中国独特の政治環境の中で両氏が許されるギリギリの表現で問題の所在を指摘しているのだが、端的に言えば、習近平政権が進めている「改革への逆行」と「毛沢東時代への回帰」の政治路線が民間企業の未来への展望を失わせ、彼らの投資意欲を殺してしまったということであろう。習近平政権が今やっていることのすべては、中国という国を破滅の道へと導いているようである。(石平氏の原稿より)
(えびなたろう)

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