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2016/06/03

03-中国国有企業社員の犯罪が急増中…

03-中国国有企業社員の犯罪が急増中…        (2016-.06.03)

 《中国社会において、いま企業家の犯罪が増加している》
 こんなショッキングな見出しを掲げた記事が中国国内のメディアをにぎわしたのは、2016年4月上旬のこと。なぜ、唐突にこんな話題が盛り上がったのか。答えは同じ3月末、法制日報社傘下の中国企業法務研究院聯合法治週末社が調査し、作成した「中国企業家犯罪報告2015」(以下、「報告」)が発表されたからであった。

 興味深かったのは、「報告」の中で、昨年1年間で最も多くの犯罪をおかした企業人の所属が、民間企業ではなく、国有企業であったとされたことだ。地元のメディアが見出しで大きく取り上げたのも、まさにこの点であった。国有企業の社員といえば半ば公務員であり党員でもある。収入面からも社会的な地位という側面からも、民間企業との立場の違いが歴然としている特権階級だ。普通に考えれば、犯罪に関わる理由は見当たらないはずだ。

 いったい国有企業の社員に何が起きたのか。その理由に触れる前に、「報告」の中身に少し詳しく触れておきたい。まず、企業人の関わったすべての犯罪のなかで国有企業の社員が関わっていたケースは、全部で456件。これは全摘発件数605件のうち76%を占めているというから圧倒的だ。

 民間の企業人が関わった犯罪は、比率はもちろんのこと、摘発件数自体も減少に転じたという。 事件が発生した地域としては、江蘇省、北京市、広東省などが上位に並んだことが特徴として示されている。では犯罪の種類はどういったものだろうか。 国内メディアの報道によれば上から順番に、「収賄」、「汚職」そして「公金横領」であったという。こう聞けばピンとくる読者も少なくないのではないだろうか。

 言うまでもなく習近平指導部の進める「反腐敗キャンペーン」である。 要するに今回、国内のメディアが大々的に報じた「国有企業の社員の犯罪増加」というのは、犯罪そのものが増えたのではなく、摘発の精度を高めたことで表出してきた現実ということになる。

 事実、昨年1年間は、それまで党組織や国務院系列の機構に向けられていた「反腐敗キャンペーン」の取り締まり対象が、徹底して国有企業に向けられた年でもあった。 おかげで犯罪摘発件数は、14年の426件から一気に179件も増加してしまったというわけだ。

 この国有企業を狙い撃ちした「反腐敗キャンペーン」の展開が、今年から本格化した“ゾンビ企業退治”の前哨戦であったことはいまでは周知のことだが、こうして数字でその効果が示されてみると、あらためて習指導部のしたたかな戦略が浮かび上がってくるのである。
(富坂聰;拓殖大学海外事情研究所教授の投稿記事;夕刊フジより)
(えびなたろう)

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